肩関節への局所処置のひと工夫④

肩関節は骨支持がなく、複数の筋肉で上肢を釣り上げる繊細な構造をしている関節である。五十肩を代表するように経年劣化に伴う機能障害を訴える方に高頻度で遭遇する。

その疼痛の訴えはTⅠが多く、五行の順序に沿わない症状である。そして何よりも治療が一筋縄ではいかない事が少なくない。キレ良く消痛効果が得られなかったり、運動障害を円滑に改善できない事がある。

肩の症状は、腰同様に運動器疾患の蓄積症状であり病態としては五行の逆回りの性質を持つ。よってシンプルな中枢治療ではキレの良い効果を出せないケースが多い。そこで局所治療のひと工夫の加え方をここで紹介する。

この数年「肩甲骨はがし」という言葉を目にするが、五十肩を始め肩甲上腕関節に負荷が過剰になってしまう原因のひとつが肩甲骨の運動性・肩甲上腕リズムの破綻である。外力に任せた肩甲骨の可動訓練やストレッチは薄い筋組織の炎症・損傷を招き二次的に悪化を助長させてしまう恐れがある。無理なく解放させる工夫が③と④である。

患者さん情報

肩甲帯の可動性が低下し、肩甲骨の位置が下制内転している状態

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